コラム

いびきだけじゃない “呼吸が止まる睡眠” — SASを知ろう
1. SASとは?
睡眠中に、呼吸が 10秒以上停止する「無呼吸」 や、息が弱くなる「低呼吸」がおこり、1時間あたり一定回数以上くり返される状態を「睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)」と呼びます。
日本では成人男性の約3〜7%、女性の約2〜5%にみられるとされ、潜在的な患者さんはさらに多いと推測されています。
タイプは大きく2つ:
- 閉塞性(OSA):上気道が塞がって息が止まるタイプ(最も多い)
- 中枢性(CSA):脳から呼吸の指令が出なくなるタイプ

動画で知るSAS
SASの仕組みについて、Zone社がわかりやすい動画を公開しています。ぜひご覧ください。
2. 症状・サイン
夜の症状
- 大きないびき
- 息が止まるように見える
- 何度も目が覚める、中途覚醒
- 夜間頻尿
日中の症状
- 強い眠気・集中力低下
- 朝の頭痛
- 倦怠感
- 交通事故・仕事の能率低下のリスク
さらに、SASは高血圧や心疾患、脳卒中、糖尿病など全身の病気とも関連しています。
3. 診断と検査
SASが疑われるときは、まず問診や生活習慣の聞き取りを行います。
簡易検査(PG検査)
鼻や指にセンサーをつけて、いびきや酸素濃度を調べる検査です。
当院では Zone社の機器を郵送で自宅にお届け し、ご自宅で手軽に受けられます。
保険適用となった場合、費用は3割負担の方で約3,000円です。
実際のPG検査の様子は図のようになります。

精密検査(PSG検査)
より詳細に、脳波・心電図・呼吸・筋肉活動などを測定する検査です。
一般的には入院が必要ですが、当院では 在宅でPSG検査を実施できる体制 を整えています。
4. 治療の流れ
検査結果により「重症度(無呼吸低呼吸指数:AHI)」を判定し、治療方針を決めます。
治療法の例
- CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)
マスクを通して空気を送り、気道の閉塞を防ぐ最も有効な治療です。
当院では、検査後すぐに CPAP導入まで一貫して対応 しています。 - 口腔内装置(マウスピース)
軽症例やCPAPが合わない方に有効。 - 生活習慣改善
減量・禁酒・睡眠薬の見直し、体位療法など。 - 手術
扁桃肥大や鼻閉が強い場合に耳鼻咽喉科的な外科治療を検討。
5. 当院での診療の特徴
森崎耳鼻咽喉科医院では、次の流れで診断から治療までを完結できます。
- 問診・診察
- 自宅に郵送されるPG検査(Zone社)
- 必要に応じて、自宅での精密PSG検査
- 結果説明と重症度判定
- CPAP導入(必要な場合)と継続的フォロー
入院を必要とせず、すべて ご自宅と当院で完結 できるのが大きな特徴です。

6. よくある質問(Q&A)
Q:いびきをかいているだけでもSASの可能性はありますか?
A:はい。いびきはSASの代表的なサインですが、必ずしもすべてがSASではありません。呼吸が止まっているか、日中に強い眠気があるかどうかが大切なポイントです。
Q:検査は痛くないですか?
A:PG検査・PSG検査ともに、センサーを体につけて眠るだけです。痛みはありません。
Q:CPAPは一度始めると一生続けるのですか?
A:重症度や合併症の有無によります。体重減少や生活改善で軽快する場合もあります。定期的な評価が必要です。
7. まとめ
SASは「ただのいびき」と見過ごされがちですが、放置すると全身の健康に影響を及ぼす重大な病気です。
当院では 自宅での検査から治療導入まで一貫した体制 を整えています。気になる症状がある方、家族から指摘を受けた方は、ぜひ一度ご相談ください。
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